基準電圧生成

実験のお供に

蓋を開けたまま全景
レタリングは、マジック!って、そっちかい!

以前、沖田さんにコーチいただいて、ストロボチューナーを作ってたとき、VCOの動作チェックに使えるようにリファレンス電圧生成器も作った。動作に満足できなくて、ケースにいれてないので、使いにくい。
シンセに限定すると、1Vステップで5段あれば十分とか思ってたんだけど、色々実験してて、各種ダイオードの順方向の温度特性を見てみたいと思うと、やっぱ 0.1Vステップで10段階ぐらいほしいかなとか、真空管のグリッド電圧とかつくるのめんどうだったなあ、マイナス方向もほしいかも、とかとか。
そんなことを考えながら、仕様を考えてみた。

  • 4レンジ
  • 0V〜-5V、-0.5Vステップ
    0V〜-10V、-1Vステップ
    1V〜5V、0.5Vステップ
    10V〜0V、1Vステップ
  • それぞれ0Vを含む11段可変
  • 出力インピーダンスは固定
  • 600オームぐらい
  • 1/100以下程度の精度
  • 大体ポケットテスターの精度がそんなに無いのだ。2桁で十分
  • 相対的な変化がそこそこの精度でだせる
  • 精度は追いかけ始めると、はまるので、絶対電圧にはこだわらず、その電圧からどれくらい違うかというところが、きちんと出るというに考える。
  • 実装の検討

    中身
    上から見た写真。トランスってでかいわ。

    仕様をきめたら、それを実現するのに、どんなパーツや回路を使うかを検討する。
    全体の精度のコアを決める部品として、温度係数の低いLM431 を使ってみる。

    これで10Vを生成。さらに選別した1kを10本ならべたロータリースイッチでボリュームというかステップアッテネータを作って、希望の電圧を直読出力できるようにする。
    あまりいい評判を聞かないんだけど、秋月のプラ軸のロータリースイッチだとステップ数が自由に決められる。今回のように、0V も含めて11段に設定とかいう変なステップ数の設定の場合にはピースかも。
    このアッテネーター直後のVフォロは、ちょっと精度のいいオペアンプを使って、ここで温度変動でたらゴメンねでクリアして、一番使う機会が多いであろうプラス側の1Vステップは、DualOPアンプの反転アンプを2回通るので、温度変動が打ち消されるって寸法。このオペアンプにはLF412を使ってみよう。 1/10レンジでは誤差があったら、ごめんなすって、って感じ。すべての抵抗は金属皮膜をさらにテスターで選別して1%以下に抑えてみるつもり。


    組み立てと調整

    中身
    実はこの配線ミスがある。詳細はテキストを参照のこと

    なんか、常々、とそこはかとなくではあるけど、電圧計がついてたり、シリーズレギュレーションでトラッキングだったりだったりする立派な電源が欲しいなあ、思いつづけていたんだけど、勢いで、この基準電源発生器専用にしたらもったいない電源を三端子レギュレーターで適当にくみたてた。
    内容は Power to the people! で紹介した"制作2"の回路とPCBそのまま。これを箱に詰めて、今回追加したのが、以下の回路。

    R6、R8、R9、R11、R12の100kは金属皮膜抵抗でテスターで相対誤差の無いものを選ぶ。
    さらに、R4の10kは、誤差5%とか1%とかの1kの金属皮膜抵抗をテスターで選別して1%以下のものを10本選ぶ。これも、きっちり1kである必要はなくて、 10本が1%以下の誤差に収まってればOKとする。
    最後の仕上げが基準電圧生成部分の調整個所としてのLM431から出る電圧を調整するトリマーを回す。可変する出力の端子にテスターを当てて、(作業するときはわに口クリップなどできっちり留めるのがピース)トリマを回して10Vがでるようにする。

    実は上のトランスの接続の部分の写真、ミスがある。回路図からは読めない、実装のテクニックというか常識というか...。正しくはこう接続する

    最初の配線は、トランスのラベルの表記の0Vと0Vを繋げて中点にしているが、これだと、それぞれの18Vからの出力の位相が一致してしまうので、せっかくシリコンダイオードブリッジを使っても半波整流になってしまう。どひー。
    ただしくは、0Vは、隣の巻き線の18Vに接続して、シリーズになるようにした上での中点を取らなきゃいけない。
    これが理由なのかわからないのだけど、突っ込んだヒューズがブチブチ切れてこまった。
    レタリングはパネルまとめてインクジェットプリンタで印刷するラベルを貼り付けてしまおうと考えてる。

    完成か?!

    1AまでOKな三端子レギュレーターを使っているけど、トランスからは(DCでは)300mAまでしかとれない。というわけで全体の性能としては、300mAまで取れる電源ということになるけど、わーいとかいいながら、マジに300mAとると、トランスより先にレギュレーターが触れないほど熱くなる。放熱器は箱の中だし。
    というわけで、実験電源として使うには、今ひとつ。放熱器は箱の外に出さなきゃいけない。触れないような熱が出る事を考えると、300mAを超えるようなアプリケーションなら、スイッチング電源にしないと熱的に損な気がしてきた。