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ファーム921の制作(3)


EG

EGの基本動作は

http://www.asahi-net.or.jp/~WZ4K-TNK/kairo/eg.html


一番最初に組み立てたモジュール
の「1: 原理的な AR type EG」を参照のこと。
キモは、コンデンサに電気を溜める(捨てる)のに、コンデンサに供給する電圧とコンデンサの間に抵抗を入れ、これを大きくするとなかなか電圧がたまらない(放電できない)、小さいとあっという間に電圧が溜まる(放電する)、という動作を使って、時間的な変化を作る。

NE555を使うと、コンデンサに電気を溜めたり捨てたりするタイミングを生成するのが簡単になり、EGを比較的簡単に構成することができる。

NE555のデータシートは
http://www.fairchildsemi.com/ds/NE/NE555.pdf
からダウンロードできる。 これの4ページ目の「1.Basic Operating Table」の表を見て欲しい。 (オリジナルはシグネスティックなのだけど、説明の都合でフェアチャイルドのセカンドソースの仕様書になっている。 2004/08/11)

さらに、 検証する図面、
Second ADSR Schematic
も必要ならダウンロードする。
(このページを最初に書いたとき、国井氏のページで紹介された回路で組み立てたのだが、現在その回路は公開されていないようなので、Rene氏の回路図に変更した。基本的な動作を理解する意味では同じ回路となっている。2004/08/11)

これらを元に、アタック、ディケイ、サスティーン、リリースの4つの時間をキーに動作をみていく。

アタック期間

  1. 入力を微分し、入力が入った時だけ瞬間オフにする電圧を作り555にトリガー(2pin)に掛ける。
  2. 入力電圧をトランジスタで加工し入力電圧に依存しない電圧にしてリセット(4pin)端子をオンにする。
  3. 555のディスチャージ(7pin)がオープンになり、(多くの場合はさっきと同じ状態、つまりオープンのまま)サスティーンの電圧を決定するボリュームの両端の電位差が出ないので、サスティーンの電圧がでない。
  4. アウトプット(3pin)がオンになり、この電圧が、ボリューム(アタックタイムの設定)の抵抗を通ってコンデンサを充電する。
  5. コンデンサに徐々に電気が溜まり、この電圧がスレッショルド(6pin)にIC内部で設定されている電圧(2/3 VCC)になると、アタックタイム終り。
ディケイ期間
  1. スレッショルドに供給される電圧が設定値を超えると、アウトプット(3pin)がオフになり、アウトプットからはコンデンサに充電する電圧は供給されなくなる。
  2. ディスチャージ(7pin)がオンなる(GNDに電気が流れる)ので、サスティーンの電圧を設定するボリュームの両端に電位差が出て、サスティーン用の電位がボリュームに現れる。
  3. この時点でアタック時に溜めた電圧より、サスティーンの電圧のほうが同じまたは低いはずなので、放電が始まり、ディケイに設定されたVRの抵抗でスピードが決まる。
  4. サスティーンの電圧と同じ電圧に落ち着いたところでディケイタイム終わり。
サスティーン期間
  1. 入力のゲートが入っている限りディケイタイムが終わった直後の状態が続く。
リリース期間
  1. 入力ゲートが終わるとこれを反転した信号がリセット(4pin)に入り、ディスチャージ(7pin)がオフになり、サスティーン電圧がオフになる。
  2. アウトプット(3pin)はオフのまま変らず。
  3. コンデンサに溜まった電圧は、ダイオードで制御され流れるべく、リリースタイムを設定するボリュームを通って、初段のトランジスタのエミッタに捨てられていく。
ミソはディケイ期間に入った時のサスティーンの電圧の生成の部分だといえる。

バリエーション

演奏する上ではEGの動作は微妙な好みがある。これらの変更は、まさに手作りの醍醐味。

  • 国井版
      僕が、一番最初に組み立てたのは彼の版。現在初版は公開されてないようで、簡単だけど、演奏する上では劇的。アタックのトリガーをダイオードを使って、コンデンサを放電してしまうことでアタックが掛かったときにはリリースの途中でも、0Vから立ち上がるようになっている。
      http://masa921.hp.infoseek.co.jp/image/kairo/555adsr2.gif
      氏のトップページはこちら
  • RadioJunkBox版
      ディケイは、アタックのレベルに比べて低いはずのリリースへと落ちる仕掛けなので、ダイオードで流れを決めているが、このおかげで、サスティーン期間中にVRを操作して、サスティーンレベルを変えようとしても、上方向にしか変らない。この欠点をFET1発で見事に解消されている。 http://homepage2.nifty.com/rjb/pdf/rjb_diy_synthe_501a_vca&eg_schem_revA.pdf
      氏のトップページはこちら。プロフェット5モドキともいえるデザインをもつモジュラーシンセの記事は素敵。
  • 続く


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    "Making of farm921 part 3 (EG) " Copyright 2002 2004, Motohiko Takeda, Crow Hill Laboratory
    Motohiko Takeda Mail:takeda@aleph.co.jp