FarmVCO III


オシレーター部分に注目


この版では、広域補償用のPOTは省略されている。
 VCO I、VCO IIと、素人が挑戦できる範囲のアンチログ回路の改造で、発振器は同じもの。このVCO IIIもリセット型のオシレーターではあるが、スイッチの素子としてFETを使ったものを試してみた。
オリジナルは、リットー社の「エフェクター操作術'91」の実用回路図集の中のものだ。

オリジナルにはついていない、矩形波変換(これまでのVCOとまったく同じもの)を追加した。 オクターブスイッチの部分は、これまで作ったオシレーターとパネルを共用できるように修正した。モジュレーションの入力の一つに、ボルテージフォローワーがついた形。ロータリースイッチのラダーからでも、VRからでもチューニングを変えるための電圧を受けられる。
経年変化を少なくする狙いで、スイッチのラダー抵抗への供給される電源に、VCO Iで使った温度保障のツェナーダイオードを追加した。
複数VCOを作ることを前提に、ラダーへの電圧の供給用のツェナーダイオードの部分を2台目から省略して、と思ったのだけど、ヴォルテージフォローワーのオペアンプ自体のオフセットが問題になり、あるVCOでは、1クリック1オクターブで動いても、他のVCO(別のオペアンプ)だと、上のほうはOKだけど、下のほうだと、ずれるといった動作になる。 ここはマイナス電源を供給して、反転アンプとしてサミングステージを動かし、VCOごとの誤差を吸収するような回路構成も考えられるが、あくまでVCO I、IIとの互換にこだわった仕様となった。

1V/Octへの変換部分

V/Octにするために、CV入力からオシレーターのVC入力までの利得が0.0185くらいになればいいそうだ。(詳細は、 いつもの田中さんのページの・ANTILOG AMP 参照のこと)
現在、田中さんのページは公開を休止しているので、ganさんのこちらのページも紹介させていただきます。

このページは、氏が公開中のブログで公開された記事をまとめたもので、アンチログ回路勉強中アンチログ回路勉強中(その2)アンチログ回路勉強中(その3)も参考になる。

自作のシンセのいいところとして、既存の規格にこだわらない、自由な仕様、というのがある。V/Octにこだわらないのなら、MIDI-CVの出力のレートを変更してしまってもとりあえず、鳴らすことはできるが、他のモジュールとの連動があるのだから、ここは気を使っても良いところだとは思う

R1に温度で値が変わる温度保障抵抗を使う

ここでは、マジックナンバー「0.0185」前後の値になるように2本の抵抗の分圧比で作るようにする。

R1/R2=0.0185

だから、

R1 = 0.0185 x R2
R2 = R1 / 0.0185


手持ちの温度保障抵抗は1kなので、R1が1kになるのでR2には、54k強。ここではそれっぽい値として56kを使う。ここでは入手しにくい温度補償抵抗の値の精度はあまり追求せず、それの前のサミングステージの増幅率を1前後に可変できるようにトリマーを入れ、細かい調整ができるようにする。VCOI,II,同様の手法である。


オシレーターのアレンジ

 コンデンサを背負ったオペアンプが(積分器になっている)コンパレーターに接続されており、この出力が、積分器のコンデンサをFETでショートしてしまうことでリセットする。
オリジナルには、高域での誤差を修正するポットがないので、田中さんのページ(3・ reset型 1)を参考に追加で入れた。また、VCOI、IIとの出力のレベルを合わせるべく、コンパレーターの比較電圧の入力部分も修正(改悪?)を加えた。
以上の改造を加えた図面は以下のとおり

この版では、084(QuadOpamp)をアンチログ、矩形波変換に使い、オシレーター部分に082(DualOpamp)を使った。参考パターンは、VCOIIに比べ見た目はすっきりしたかもしれない。

調整


VCOIより調整箇所が増えた
VCO IIと同様4ヶ所。基本的なチューニング方はVCO Iを参照のこと。

このページの写真では、高域補償のためのトリムを省略している。とりあえず、基板のPOT4のAとBの穴に、10Kをつけて鳴らしてみる。OKなら、それで終わり。もし怪しければ、20Kの半固定を付けて調整する。
組み立てた当時は、2.2kを、と書いていたが、実際にアンサンブルの中で鳴らして見るとベースで鳴らしてる分にはOKなのだけど、さ、ソロ行くぞ、とオクターブ上げて演奏始めると途端にオンチになる。なぜだか分からなかったのだけど、このあとで取ってつけた高域補償がちゃんとできてなかったということが分かった。
このVCOのバリエーションでPCBパターンも整理した版(VCOは左肩1/4部分)、VCO-III Rev.Bとして、OneBoardFramの方で紹介していおり、そちらの図面のほうは修整されている。VCO-IIIは、「1V/Octへの変換部分」の理解のための実験で、実用には、VCO-III Rev.B のほうをお勧めする。(2004/10/04) オクターブスイッチの調整はVCO IIと同様なのだが、複数台作ってみて気がついたのだが、図面でU2の6pinに4V出るようににオクターブのトリムを調整してもだめなことがある。シビアでなければ、これでいいのだが、オペアンプのオフセットがあることがあるので(最初の1発目はラッキーだったらしい)まず、

  1. 最低音が出るようにしてチェックポイントをはかる。これがオペアンプのオフセット。
  2. 次に、最高音が出るようにスイッチをセットしたときに、先ほどチェックしたオフセットに4.00V足した値が出るようにセットする。
InitTuneは、パネル上のオクターブスイッチやファインチューンの位置を決め適当な音程が 出るように決める。

PWの設定のツマミの設定範囲が広すぎると、ツマミを回している途中で音が出なくなってしまう。パルスワイズの幅 は、コンパレートする電圧と入力の鋸歯状波のレベルで決まる。鋸歯状波のピークトゥピークの電圧は、R19とR21で電源圧15Vを分圧した値で決める。ここでは7.5V。さらに、C4でカップリングされるので、-3.75Vから、0V、3.75V、と振れる。このうち、0Vから3.75Vをと比べる電圧を084の9Pinに入れる。0Vなら、出力される矩形波のデューティは50%。最とも細いパルスは、3.75Vになる。パルスワイズの幅を決めるVR2(100k)の上端にツマミがセットされたときに、3.75Vでるような値に、R27を変更する。分圧計算機の Inputに15v、outputに3.75V、Rbに100kをセットし、Raのラジオボタンを求めると300kとなる。
実際にはボリュームも、抵抗にも誤差があるので、思った動作はしないかもしれないので300k前後の美味しい値に修整するのが正しい。このあたりの電位は温度で微妙に変わるので、多回転トリマーで厳密にセットする程の意味はないと思う。 この図面では他のVersionのVCOとパネルを共用する兼ね合いで回路図的にはそのままになっている。実際に組み立てる場合にはこのあたりのアレンジは必須。(2004/10/04修整)

出力波形


鋸歯状波

矩型波
鋸歯状波は、VCO I、IIとは位相が逆になる(0Vから、ピークへ向かう波形)ので、2種類のオシレーターを同時に同じ音量で鳴らし、音程をそろえてしまうと、音量が極端に下がる。
矩形波でオクターブ変えた2種類のオシレーターを入れると、微妙なずれで、綺麗なパルスの幅が綺麗にかわっていくのが見られる。2VCOにするなら、PWMはいらないかも、と思う。
最初に組み立てたバージョンでは、デカップリングのコンデンサ(C4)の極性を逆さにしてしまい、 鋸歯状波が0Vを中心に上下せずに、+方向にオフセットが乗ってしまい、矩形波変換部分のU2-9pin が 0Vの時にのPW50%が出なくなっていた。50%の矩形波と、これ以外の矩形波(パルス波)は音が全然違う。シンディーローパーと、オードリヘップバーンより違う。


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"VCO III" Copyright 2002, Motohiko Takeda, Crow Hill Laboratory
Motohiko Takeda Mail:takeda@aleph.co.jp