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FarmVCO II


VCO Iのさらなる改造

 温度補償抵抗が手に入ったので、これを使ってVCO I を作り直してみる。

 オリジナルでは、アンチログに使われているDual TransistorにNPNが5つ(うち2つはエミッタ共通)が封入された集合トランジスタを使いサーマルループ(温度の変化をフィードバックして恒温化する)を構成したが、今回はこの部分をゴッソリ無くし、アンチログ用には小信号用のDual Transistorを使う。
NPN PNP
2SC3381 2SA1349
2SC5168 2SA1927
2SC1583 2SA798
 なにやらメーカー的には、この手のディスクリートのトランジスタの生産をどんどん取りやめているようで、これからは手に入りにくくなるパーツになるかもしれない。
 手に入れにくいとは言え、国産のもので比較的手にいれやすそうなもののリストを掲載する。2002年10月現在、インターネット通販では、これらのトランジスタを供給するサイトはまだある。これからは、意外に外国産のもののほうが入手しやすくなるかもしれない。
 今回は、秋葉原を徘徊している時に偶然ジャンク屋で発見した2SC5168を使って組み立ててみる。
このトランジスタ、三洋のホームページにはまだ、製造停止のマークはついていないので現役のはず。手に入るところでは手に入るはずだ。2SC1583、2SC3381はそれぞれメーカーのホームページからは姿を消しているの。以外に海外の通販サイトで入手できることがあるようだが、海外のDIYerの間でも入手困難なパーツにはなっているそうだ。('2002/11/10 追加)

オクターブの切り替えスイッチ

センターに、アロンアルファで接着した温度補償抵抗
と2SC5168が乗っている。クリックすると拡大される
 この改造で、サーマルループに使っていたOPアンプが要らなくなる。ほおって置いてもいいのだけど、根が貧乏性なのでなんかやりたい。で、なにに使うか、がミソになる。

VCO I の音程のチューニングは、コースのツマミで大体の音程を決め、さらに、ファイン で音程を合わせる方式としたが、実際使ってみて、これが結構難しいのだ。

楽器的な使い方をするのであれば、コースのツマミはロータリースイッチに置き換え1段 で1Vづつ(1オクターブ毎に)切り替わり、チューンツマミで、適当にその辺のチューニン グに合わせるほうがラクチン。
そこでVCO Iには後から3段階のオクターブの切り替えスイッチを追加した。基本はコースでチューニングを決めてから、あとから補助的に1オクターブ上げてみる、下げてみるという使い方がメインになる。
追加ということでコースのツマミは残ったので実用上問題ないが、このままでコースのツマミを省略すると、広い音域をカバーする場合には演奏上に無理が出てくる。
このスイッチは5オクターブほどないとコースのツマミを省略できないと思った。

1/2nn2n 4n 8n
2本並列 1本 2本直列 4本直列 8本直列
 VCO Iの回路のオクターブスイッチは、アンチログの補正用の定電流回路に供給する電圧を変えることでオクターブを切り替えるので指数カーブで変化する。ここには正確な変化が要求されるが普通の抵抗を選別するにしても無理がある。同値の抵抗を100本は買いやすいが、きっとそんなに使わないに違い無い値の抵抗を選別のためにたくさん買うのは嫌なので、同じ値の抵抗を組み合わせて作る。必要になる相対誤差の無い抵抗の本数を表にしてみたが、nからスタートすると、5オクターブ目は16本になってしまうので1/2nからスタートしたが、5オクターブ分だと、このVCOを構成する抵抗の本数とおなじぐらいの抵抗の数が必要になる。 この方式では、3オクターブまでが限界といえそうだ。

今回のバージョンでは、同じ抵抗値で作ったラダーにその段数分の電圧を掛けて1段あたり 1Vづつ変化する電圧をサミングアンプに入れる方式にする。ラダーを通って出てくる電圧の変動を押さえるためのボルテージフォロワで受けるようにする。 これに、あまったオペアンプを使うことになる。

上記改良を加えた図面はこちらから。 オクターブスイッチ部分抵抗は1kの金属皮膜。相対誤差の無い物を4本使う。 参考基板パターンはこちらから。

今回は、074を使って集積度を上げるとかより、ひたすら作りやすいを狙ってみたのでDual Opampを3発で仕上げてみた。

調整


VCOIより調整箇所が増えた
調整個所はVCO Iより一つ増えて4ヶ所。基本的なチューニング方はVCO Iを 参照のこと。

オクターブスイッチの調整は一番高い音が出る様にロータリースイッチをセットし、 図面でU2の6pinに4V出るようににオクターブのトリムを調整する。このスイッチを 切り替えながらオクターブスケールの調整が出来る。

出力波形


鋸歯状波

矩型波
温度補償抵抗を使って、アンチログアンプの部分を簡略に出来ただけで、オシレーター部分はVCO Iとなにも変わっていないので波形のキャラクタはVCO Iとまったく同じ。


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"VCO II" Copyright 2002, Motohiko Takeda, Crow Hill Laboratory
Motohiko Takeda Mail:takeda@aleph.co.jp