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FarmVCO 4069


簡単なVCO


上が温度補償抵抗。下が逆温度補償抵抗
 一般に手に入りにくいといわれている温度補償抵抗が手に入った事を、たまたま質問のメールを出していたドイツ在住のホームメイドシンセビルダの方に知らせたら、逆温度補償抵抗と、トレードしないかと誘って頂いた。
 一も二も無くOKして、数本の温度補償抵抗を送り、彼が手持ちで余らせていたというスチコン数本と逆温度補償抵抗を送って頂いた。
逆温度補償抵抗の使い方はここ(トップページはここ。フレームが切ってあるのでトップページから、「Whats that exp and tempco stuff? 」をクリックしてアクセスするのが正解)

同氏のページのCMOS VCO(同様にトップページの「VCO」の、「VCO 4069」でアクセスする)を、いただいた逆温度補償抵抗47kに合わせてサミングステージの定数を変更し、国産のトランジスタを使って組み立ててみる。

書換えた図面はこちらから。トランジスタには国産の適当なNPNとPNPを使う。
オリジナルにはふんだんに使われている逆温度補償抵抗僕の版では(数に限りがあるし)省略して1本しか使わない。機能的な劣化はない。オリジナルの設計者からもも、、1本で充分だとコメントいただいた。
オリジナルのほうに掲載されている基板パターンは、氏が使ったヨーロッパでスタンダードなトランジスタを使った時のパターンで国産のトランジスタとは足の配置が違う。
オリジナルのほうではオプション扱いの鋸歯状波のトランジスタによるバッファはデフォルトでいれてある。というか、無いとこの後に接続される回路によってチューニングが変ってしまうので実用にならない。
さらに、他のVCOをパネルを共用するために、矩形波のデューティーの設定のVRは基板上のポットとした。
R-12は、ソフトシンク入力。参考基板パターンには実装されていない無い。 僕の作った基板の参考パターンはこちらから。

アープ式NPN-PNPマッチドペアアンチログ


オペアンプはどこに行った!
 回路図中のQ1とQ3は、Vebがマッチしているものを使い、さらに、実装時に瞬間接着剤などで接着してしまう。密着していることがミソで、出来る限り温度変化が二つのトランジスタに均等に掛かる様にして片方だけが温度変化を受けない様にする。R6の温度補償抵抗も密着させなければいけないのだけど、参考パターンでは手を抜いてある。
この回路では単純化するために、入力されるさまざまなCVをまとめるサミングステージがパッシブ(オペアンプなどの素子を使わずに抵抗だけで構成してある)なので、入力されるものによってはチューニングがずれるという欠点がある。モジュールタイプとして組み立てるのなら、サミングステージには、アクティブ型のものを選ぶべきだが、すべてのモジュレーションソースがあらかじめ配線されていて、全体のインピーダンスの変化が少ない状態なら良いかもしれない。

調整


ホットなVCO?!
電源を入れてみるとC-MOSが熱くなる。燃えるほどではないにせよポカポカよりは熱いかもしれない。
VCOI, VCOIIと違い、高域の補正トリムが無い。その代わり矩形波のデュティー比の設定のためのポットが増えた。PWM/PWのツマミを左に回しきり、矩形波が出ている状態にしてオシロで波形観測し適当に設定するか、耳で聞いて合わせる。
デュティー比が50%でないと、「チー」という音になり、ずれればずれるほど、周波数の高いほうの成分が混じってくる。一番澄んだ「ポー」とか、「ピー」という音がでるようにする。

出力波形


鋸歯状波

矩型波
若干猫背な波形。矩形波もかなりなまっている。

4069のバリエーション

このページを見ていただいた方からコメントをいただいた。この回路で使ったC-MOSロジックIC、「4069」と一口に言っても、バリエーションがあるそうだ。多くのC-MOSのチップのネーミング規則は以下のとおり。

    xx4069yyzz
XXにはメーカー名のプリフィックスがつく。ほとんどの場合が2文字。東芝だと、「TC」、日立だと、「HD」などがつく。
その後の4069は、どんな種類のICかを示す。この部分が一致していればほとんどの場合同じ物と思っていいが、メーカーによっては独自の回路で作られていたり、オリジナルについてなかった保護ダイオードが付加されていたりするので、用途によってはメーカー指定で入手しなければいけないこともある。zzの部分は文字数が変ることがある。東芝の製品の場合には、パッケージの形状を示しており、一般にアマチュアが使いやすいのは、DIPタイプを示す「P」がついたものがいい。(他のは小さかったり、サーフェスマウントタイプだったりする)。

ここで問題になるのは、yyの部分。ここには、「B」または、「UB」がつくことがあるそうだ。
他のC-MOSのロジックICのネーミングのルールから察するに、「B」はバッファが内蔵されているタイプ、「UB」は(un-buffered)バッファがないタイプだと思う。他のCMOSロジックICシリーズでは、一般的にバッファが内蔵されているタイプのほうが消費電流が多くなる傾向があるそうだ。
BタイプとUBタイプの差し替えが可能かどうか、4069Bの資料を求めてちょっと、Webを検索して見たが見つけることができなかった。白状すると、見つけて、図面を見ても動くかどうか判断できるかどうかは自信がない。
 僕は東芝製の4069を入手したが、ここでは、現在、UBタイプのパッケージ違いのバリエーションしか作っていない。国産の半導体のメーカー数社のホームページで検索して見ると、沖電気の生産完了品リストの中にその名前(UBタイプだった)を見つけることができるが、他では(検索がヘタなだけというか、ぱっと見つけられないページ構成のほうに問題を感じるとか言って人に責任押し付けたりして)みつけられなかった。
もともと作ってなかったのかもしれない。 つまり、現在(2003/03)製造している国内のメーカーは東芝だけで、しかもUBタイプのみ。さらに、Webの通販サイトを(簡単に)検索してみたが、Bタイプを売っている店は見つけられなかった。この実験ではBタイプで動くかどうかの検証はやれていないし、手に入るかどうかも分からないが、このVCOの追試を目的に4069を入手されるのなら、品番に「UB」という文字が追加されていることを確認してから入手したほうがいい。参考までに、僕は東芝の「TC4069UBP」という製品で実験した。
 オリジナルの設計者に問い合わせて見たが、Bタイプの存在のうわさを聞いたことはあるが、実際には見たことがないと仰っていた。彼もUBタイプを使って実験されたそうだ。(チップのメーカーはお知らせいただけなかった)あえて稼動実績がない「B」タイプを求めて入手され、さらに試されたのならぜひ結果をお知らせいただきたい。(2003/03/06追加)


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"VCO 4069" Copyright 2002, 2003 Motohiko Takeda, Crow Hill Laboratory
Motohiko Takeda Mail:takeda@aleph.co.jp