自作するにあたって


自作には危険が一杯

 ちょっとかっこいいタイトルだが、笑い話にならないことがあるので気を付けてほしい。この一連のページは、アマチュアでもシンセを自作する事ができる事を紹介する物では有るが、誰にでも簡単にとは言わない。
さすがに、ある程度の経験がなければむずかしいと思ってほしい。少なくともギター用のコンパとエフェクターを数個組み立てた事がある程度でなければ難しいかも知れない。僕の電子工作のバイブルは、

    大塚 明; 「サウンド・クリエイターのための電気実用講座」, 洋泉社
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896911636/
だ。回路の動作を完全に理解した上で組み立てたいと思った場合にはこの本では役不足。ほかにも沢山の本を手に入れなければならないかとは思うが、とりあえず、組み立ててみて音を出したい、という場合でもこの本は一通り目を通してほしい。どんなホビーにもそれなりの危険が(刃物を使う物等)ある事は理解の上で、組み立てを楽しみたい。

なにが危険か

たとえば、苦労して入手したパーツを全部まとめて壊してしまおうと思ったら、どうすればいいだろう。適当に配線して電源を入れたらまとめて一気にこわせるんじゃないだろうか。(いや、ホントかどうかはともかく)
さらに、まだ配線が全部終わって無い回路、またはちゃんと組み立てたつもりでミスが有る回路と、適当に配線した回路はどこが違うんだろう。
場合によってはトランジスタやICが異常発熱する、もちろんこれに触ればやけどするし、ケミコンは爆発することもあるらしい。ミスないつもりで作業していてもこの手のトラブルは結構ある。これらのミスを少なくするためのテクニックをいくつか紹介する。

配線が終わった直後には電源はいれない

自前で蛇の目基板を使って配線する場合には必ずミスがあると思っていい。図面と突き合わせてダブルチェックは当たり前のノリで確認する。可能ならば、その日はチェックをせずに1日空けてからチェックする。
ここは大丈夫、と思っている所にこそミスは隠れている
図面はプリンタで打ち出して、逆さにしてみてみると、まるで初めて見た図面のようにみえる。今まで見た事のない図面のつもりでチェックする。
ミスったまま電源を入れると、場合によっては基板に乗せたパーツが壊れる。一つが壊れる事で連鎖的に他のパーツも壊れる。1ケ所のミスでトランジスタが2発壊れたとして、実はもう一つ壊れている事に気がつかないまま2つだけ取り替えても、隠れて壊れていたトランジスタのおかげで取り替えた2発が また壊れる。場合によっては実は冤罪で、真犯人はほかに有ったりする。
実際こうして直している時間のほうが長かったりする。一方、組み立てる前に図面を見てる時には気がつかなかった回路の動作が正確に理解できたりもするので、良い経験にはなる。(この経験を経て初めて1人まえと言えない事も無いけど当然、半人前でも何の問題も無い)

まずは、電源の心配から始まる

実験の環境にもよるが、電源が別になっているのならまずは電源だけ動かしてみて(負荷が無い状態) で出力電圧をチェックする。OKだったら、初めて回路に電源を繋げてみる。
とうぜん、テストを始める前には、基板の裏側や、これから生えているボリュームの端子ががショートしないように配置する。場合によってはVRの類はボール紙に、セロテープで固定する。
一通りチェックが終わった段階でそのまま数秒だけ、電源を入れてみて、異常が無いかどうか見てみる。パチっとか音がしたらヤバいかも。このとき、基板に注意を向けているとしても顔を近付けたりはしない方がいい。場合によっては壊れて焼けたトランジスタが弾けることもあるらしい。目にでも当たると怪我をすることになるかもしれない
同時に、電源基板のほうにも注意を向ける。電源を最も簡単に壊すには、出力をショートさせてやれば良い。物凄く熱くなって最後には壊れる。トランスが妙な音をだしたりしたら速攻で100Vを抜く。 ボリューム等は煙りが出るどころか、火を吹く事もある。

一番大事な事は、納得できる原因が見つかる間では、決して電源の再投入はしない。もしこわれてないのなら、運がよかっただけだ、次は確実に壊れると思うべき(当然、既に壊れてるかもという心配も必要)

ICを使った回路の場合、すべてのICにはICソケットを使う

組み立てる回路にもよるが、すべてのICはソケットを使う。壊れる可能性が高いのは、IC、トランジスタ、極性の有るパーツ(ダイオード、ケミコン)の順だ。抵抗の類は殆ど壊れない。こわれた時に取り替えやすいようにソケットを使うのでは無く、組み立て終わった直後の最初の電源投入テストの際にICが無い状態にしておきたいからだ。
これで無事そうなら電源を再投入して、ICソケットの電源がきてるはずのピンをテスターで当たり思った電圧が来ているかどうか確認する。このとき、基板上からテスター棒をあてるようにする。裏側(ハンダ面)からチェックすると、テスター棒が滑って隣のピンとショートさせてしまうかも知れないからだ。当たり所がわるければ瞬間で壊れる。
組み立てる回路によっては調整が必要な部分が有り、乱暴な設計だと、調整が終わって無い初期の段階で異常な状態になり壊れる可能性がある。できる限り回路の動作を理解した上で組み立ててソンはない。

トランジスタは多くの場合ソケットを使わない。ICがない状態で電源が入るとまずい事も有るので、回路をよく見て、ICがなかった場合トランジスタがどう動作するかを調べてから、初期動作のチェックをする。

トランジスタが含まれていて上記の「ミスがあってもICついて無いから焼けない作戦」が使えない場合はもう何度もミスがなくなるまでチェックする。(ナキを見るのも歓喜に震えるのもあなた自身だ)

思った動作をしているか評価する

音がでリゃ良いではあるのだけど、オリジナルの設計者は動くように回路を設計しているのだからちゃんと動いてあたりまえ。問題は、設計者が意図した通りの動作をしているかどうかだ。狙った動作をするために調整が必要な回路もある。できる範囲で回路の動作を理解しておけば、トラブルに対応することができる。
言う間でも無く、組み立てていくうちに深い理解が必要にはなっていく。

どれも、電気工作を紹介した本には出ている記事ばかりだ。僕の経験からも、これらはホント守ってソンのないルール、無視すればひどい目に合うに決まってるルールだ。 トップページのほか、気がついたところにはハッキリ明言してあるが、この一連のページは電気工作を趣味に楽しむアマチュアの実験レポートであり、何かを保証するようなものではない。このページの情報の利用の結果なにか不具合があったとしても、何も保証できない。以上、了承の上、自己責任で自身の趣味を楽しんでほしい。



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"自作するにあたって" Copyright 2002, Motohiko Takeda, Crow Hill Laboratory
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